雑多な日記

雑多である

北海道を自転車で一周した話〜オトンルイ風力発電所〜

利尻富士

 8月10日五十嵐響子の誕生日、朝5時ごろ起床。昨晩は強い雨と風で何度か起こされてしまった。テントの前ポケットに転がしていた着替え入りビニール袋に穴が空いていた。隙間から烏に突かれていたようだ。キャンパーの食料とか結構狙われたりするものだろうか。雨に濡れたテントから水滴を拭き取りつつ撤収する。近くのキャンパーたちはまた美味しそうな朝食を作っている最中だった。

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初山別みさき台公園キャンプ場
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本当にそこらじゅうに牛がいる
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何もない気持ちの良い道
出発して10数km走ったところの富士見のセイコマで朝食をとる。富士見の名前の通りこの辺りからは利尻富士がよく見える。この日は一日左手に利尻富士を眺めながら走ることになる 。天塩を超えると道道106号線に移り、べったりと海沿いにとても気持ちの良い道になる。前日とは違って雨こそ降っていなかったが、海からの風がとても強い。漕いでも漕いでも進まない。走っているとすぐに何基も立ち並ぶ風車が見えてきた。

オトンルイ風力発電所

 f:id:kuins_oimo:20210207210233j:plainf:id:kuins_oimo:20210207210909j:plain  動画で見たやつだ。28基もの風力発電のプロペラが立ち並ぶ道だ。動画で見た時とはまた違う感動があった。こういうのを見たくて、体験したくてここまで走ってきたのだ。うおーすげー!と叫びながら走る。気持ちの良い道ではあったがダンプの通行量が非常に多い。そして対向車線を走るダンプは多量の砂を風に乗せてぶつけてくる。すれ違うたびに必死で体勢を低くして顔を伏せる。腕やヘルメットにばちばちと砂が叩きつけられる。砂場で一握りの砂を全力で投げつけられたらおそらくこんな音がするのだろう。はっきりと痛い。気持ちの良い道ではあったが、対向車線にダンプを見つけるたびに恐怖しながら必死にペダルを漕いだ。
 本当はこの日に宗谷岬まで到達して、日本の最北端で五十嵐響子の誕生日を祝う男になりたかった。しかし、あまりの強風で思うようにペースが上がらず、また天気も曇りであったため、稚内ライダーハウスで一泊して明日最北端に行くことにした。特にノシャップ岬あたりはものすごい強風で、漕いでないとバックしてしまうのではないかというくらいだった。利尻・礼文島も心惹かれるものがあったが、バッファの1日をこの序盤で使ってしまうことへの不安、フェリー代と予算との兼ね合いなどから見送ることにした。今思うと行ってしまえばよかった。いつか利尻は登山しに行きたい。f:id:kuins_oimo:20210207214715j:plainf:id:kuins_oimo:20210207214812j:plainf:id:kuins_oimo:20210207214840j:plain

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ロシア語だ

ライダーハウスみどり湯

 稚内に到着し、数日分の着替えをコインランドリーで選択した後ライダーハウスみどり湯に向かった。このライダーハウスは夜は宿泊者が集まってミラーボールの下自己紹介を行う。その後みんなで松山千春の'大空と大地の中で'を歌う。

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この曲はセイコマでもよく流れており、この後の道のりで熱唱しながら走るのも気持ちよかった。みんなで歌った後は各々これまでの道のりを話し合う。ここでも個性的な人がたくさんいた。自転車で分割日本一周の途中だという大学生、入社一年目で会社をやめて北海道を走っているライダー、50過ぎでリストラにあったおじさん、北海道走ってる人は本当に変な人ばかりで面白い。分割日本一周中の彼は昨日利尻にいたらしく、撮った星空を見せてもらったがとても綺麗だった。自分もいつか星空を撮ってみたい。中には徒歩の人もいた。頑張っても1日50kmくらいという話で本当に大変だと思った。他にはチャリサーが2つきていた。チャリサーで仲良く走っているところを想像するだけでなんとなく黒い感情が湧き上がっていたが、話してみると頑張った日で70km程度しか走らないそうだ。間違ってもチャリサーなんぞに入らなくてよかったなと思った。自分のペースで走れないのは嫌だ。良い景色を見たときも、周りにいる人間は少ない方がいい。集団の中の一人になるのが本当に嫌いなんだなと再確認した。

リザルト

  • 走行距離: 123km
  • 獲得標高: 452m
  • 出費: 2,216円

おわり